十二指腸乳頭腺腫②(胃内視鏡/胃カメラ)
十二指腸腫瘍のうち、胆汁や膵液が分泌される乳頭部分に腫瘍が発生する頻度は比較的少ないのですが、その乳頭部に発生する腫瘍のほとんどは、癌またはその前段階の腺腫で、早期の段階ではほとんどが無症状です。
膵・胆道癌の中では乳頭部癌の予後はもっとも良好であるとされていますが、進行癌になってしまうと手術をしても5年生存率は50%程度で深刻です。一方で早期癌の5生年存率は95%以上と良好ですが、腫瘍が粘膜面に露出していない非露出型というタイプについては発見が難しく診断が遅れることもあります。
以下は当院で経験された十二指腸乳頭腺腫の一例です。
早期胃癌⑩(胃内視鏡/胃カメラ)
ピロリ菌の除菌後は、胃がんが発生しないと誤解されている方がおられますが、その後の累積発がん率は除菌しなかった場合と比べて統計的に1/3程度に抑えられはしてもゼロになることはありません。そのため定期的な経過観察が必要となります。
また除菌後胃癌は一般的に平坦・陥凹型が多く、色調変化に乏しいため視認が難しいとされています。
以下の病変は当院で経験された3-4mm大の除菌後胃癌です。除菌後の定期検査で発見されました。
このような病変は通常観察では認識が難しく、色素散布や画像強調などの操作により視認しやすくなります。
ラズベリー型胃癌⑤(胃内視鏡/胃カメラ)
以下も当院で経験された、胃の腺窩上皮型腫瘍で、癌相当(group5)となった病変です。
このような病変では内視鏡的に癌と診断しても、消化器専門の病理医の先生でなければ、癌と診断されない例もあります。
停滞性食道炎・食道潰瘍➁(胃内視鏡/胃カメラ)
以下はビブラマイシン(抗菌薬)による食道潰瘍の一例です。
内服の際に十分な水で嚥下しなかったために、生理的狭窄部付近でカプセルが停滞して酸性内容物が溶出し、潰瘍が形成されました。
ラズベリー型胃癌④(胃内視鏡/胃カメラ)
以下は当院で経験された、胃の腺窩上皮型腫瘍で、核所見から腺腫相当(group3)となった病変です。
内視鏡的にはラズベリー様外観を呈している腫瘍で、大きさは2mmでした。
]
骨盤内神経鞘腫(大腸内視鏡/大腸カメラ)
大腸検査では内腔の粘膜異常だけでなく、場合により腹腔内、骨盤内からの異常な圧排所見を観察できる場合があります。
一見しただけでは、粘膜下腫瘍か壁外圧排かは判別が難しい場合もありますが、CTや超音波内視鏡検査などで鑑別が可能です。
以下は当院で経験された、稀な骨盤内の神経鞘腫です。直腸とS状結腸の壁外圧排所見で発見されました。
十二指腸腺腫⑥(胃内視鏡/胃カメラ)
十二指腸には腺腫、癌の他にも、非腫瘍の良性ポリープが発生し、
異所性胃粘膜、Brunner腺過形成、過誤腫,胃腺窩上皮過形成性ポリープ,Peutz-Jeghers型ポリープなどがあります。
非腫瘍性であっても、サイズが大きい場合などでは、出血や腸重責などをきたす場合があり治療対象となります。
以下は当院で経験された、50mm大の十二指腸過誤腫の症例です。
十二指腸腺腫⑤(胃内視鏡/胃カメラ)
非乳頭部十二指腸腺腫は稀な腫瘍で、症状がないため検診等で発見される例がほとんどです。
進行した症例では外科手術になるため、早期発見で小さな腺腫のうちに治療することが望ましいのですが、内視鏡治療でも危険な合併症が生じることがあるため、治療は症例を集積しているセンター化された病院をおすすめしています。
以下は当院検診で発見された非乳頭部十二指腸腺腫です。
監修 院長 岡田 和久
十二指腸乳頭腺腫①(胃内視鏡/胃カメラ)
胆管が十二指腸に開口し繋がる部分を十二指腸乳頭部といい、同部に発生する腫瘍を十二指腸乳頭部腫瘍といいます。
比較的珍しい腫瘍ですが、主には前癌病変である良性の腺腫と、癌があります。
乳頭腺腫では、表面より深部ほど異型が強いという病理組織学的特徴があるため、 生検で中等度から高度異型の腺腫と診断されても、一括切除した検体の最終病理組織診断で腺腫内癌と診断されるケースもあり、術前診断が難しい場合があります。
腺腫および腺腫内癌は、適切に乳頭切除術が施行されれば予後は良好です。
以下は当院で経験された乳頭腺腫です。
ラズベリー型胃癌③(胃内視鏡/胃カメラ)
胃のラズベリー型腫瘍は、低異型度の腺窩上皮型腫瘍です。ピロリ未感染の胃底腺領域に発生し、強い発赤や表面が顆粒状、絨毛状、脳回状であることが特徴です。
以下も当院で経験されたラズベリー型胃癌の例です。