医院名:自由が丘消化器・内視鏡クリニック 
住所:〒152-0035 東京都目黒区自由が丘2丁目9−6 Luz自由が丘5階 
電話番号:03-6421-2852

大腸ポリープ/大腸がん

大腸ポリープ

概要・原因

大腸ポリープとは、大腸の内側にできる、イボのような粘膜のでっぱりを言います。 大きくわけて腫瘍性と非腫瘍性がありますが、狭い意味では、前者のうちの「上皮性腫瘍(良性の腺腫と、悪性のがん)」を指します。また、大腸の腫瘍性病変は、でっぱっているものだけでなく、0.2~2%程度は、平たくて凹んでいるタイプのものもあります(平坦陥凹型)。 腺腫は、大腸上皮(腺管)が腫瘍性に増殖したもののうち良性のものを言い、大腸ポリープの約8割を占めます。大腸がんは、もともと大腸がんとして発生するもの(de novo)の他に、この腺腫を含む前がん病変(がんの前段階の病変)と言われる良性病変から進展するものがあり、数的には後者が多いとされています。

大腸ポリープからがんへの進展経路

「前がん病変」から、がんへの主な進展経路には、
腺腫から進展するadenoma-carcinoma sequence
traditional serrated adenoma(TSA)やsessile serrated adenoma/polyp(SSA/P)
などの鋸歯状ポリープから進展する serrated pathwayの2つがあり、腺腫,TSA, SSA/Pの担癌率はいずれも約10%で、同程度の発癌ポテンシャルを有すると考えられています。 他の経路には、
Peutz – Jeghers症候群や若年性大腸ポリポーシスなどのがん遺伝子あるいはがん抑制遺伝子の変異を背景に発生した過誤腫性ポリープ
潰瘍性大腸炎やクローン病、結核に関連したdysplasia(異型性)からの発がん経路(colitic cancer)
などがあります。 大腸ポリープは、統計的に、5mm以下のものでは約0.5%、6~9mmのものでは約3.3%、10mm以上のものでは、約28.2%にがんが見つかり、大きくなるにつれて、がんである確率が上昇していきます。 そして、大腸がんの主要な経路は、①、②のポリープからがんに進展する経路ですので、小さいうちに、あるいは腺腫、鋸歯状ポリープのうちに、大腸ポリープを切除してしまうことで、大腸がんを予防することが可能です。

大腸ポリープと大腸内視鏡

大腸の腺腫性ポリープの最大の危険因子は、年齢(50才以上)および大腸がんの家族歴です。親兄弟が大腸内視鏡(大腸カメラ)を受けて、大腸ポリープがあると言われた方は、早めに検査を受けて頂いたほうがよく、特に大腸ポリープが多発している方が多い家系や、大腸がんの方が多い家系の場合には、家族性・遺伝性腫瘍(大腸ポリポーシス・リンチ症候群)のことがあるため、注意が必要です。また、年齢に関しては、50歳以上が特に危険因子とされていますが、統計上は40歳近くから増加が顕著となってきていますので、40歳となった時点(可能であれば30代のうちに)で大腸内視鏡(大腸カメラ)検査を受けておくのが理想です。

加えて、信頼性が高い海外論文により確実視されている危険因子には、赤身肉(特にウィンナーなどの保存・加工肉の過剰摂取)、高カロリーな食事習慣、肥満(運動不足)、過量のアルコール、喫煙があります。逆に、運動不足の解消などの生活習慣の改善により、発生率を低下させられる可能性も示唆されていますが、効果は限定的であるとも考えられています。また前途しましたが患者さんの中には、遺伝性大腸がんという、家系的に大腸がんになりやすい方がおられ、特に、①大腸にたくさんのポリープができる場合(家族性ポリポーシス)、②家族内に大腸がんや関連する多臓器がんを多く発生する場合(リンチ症候群)などの場合に疑われます。よって、血縁家族に大腸ポリープや大腸がんと診断された方がいる場合には、年齢が若くても、積極的に検査を受けることがすすめられています。欧米では、一親等に大腸がんの血縁家族の方がいると、自分の危険度が3倍近くになるというデータもあります。

大腸ポリープの症状

小さなポリープでは、ほとんど全ての場合において無症状です。つまりポリープのほとんどは、大腸内視鏡(大腸カメラ)検査で偶然に見つかっているわけです。 大きなポリープでは、時に出血や、粘液便、腹痛、便通異常などをきたす場合がありますが、やはりほとんどは無症状です。したがって、大腸がんになる可能性のあるポリープをより早期に見つけるためには、症状がないうちでも、大腸内視鏡(大腸カメラ)検査を中心としたがん検診を受けることが重要です。

検査

大腸内視鏡(大腸カメラ)による検査で、ポリープの形態、表面の性状、色調、大きさなどの診断が可能で、同時に組織診断(顕微鏡での診断)のための、生検や内視鏡治療(切除)も行うことができます。 当院では、特殊光(NBI)と拡大内視鏡を用いた検査で、より精度の高い検査を行っています。

治療

がん化しうるポリープは、発見次第、切除することが望ましいと言えます。 欧米では、小さい段階で腺腫性ポリープを切除することで、大腸がんによる死亡率を低下しうることが示されています。日本のガイドラインでは、5mm以下のポリープに関して、即座に切除せずに、経過観察する選択肢も許容されていますが、経過観察していく手間があること、観察中に増大していけば結局切除が推奨されること、患者さんが精神的な負担を抱えたままであること、小さなポリープが次の検査で発見できない可能性があること、前記した理由などにより患者さん自身が小さくてもポリープ切除を希望する場合が多数であることなどの理由から、実務上は、小さくても発見次第切除される場合が多いのが現状です。

内視鏡を用いた日帰り手術

腺腫性ポリープと、リンパ節転移の危険性がほとんどない大腸がんについては、内視鏡による治療により治癒可能です。治療の方法は、病変の形(肉眼系)や大きさにより使い分けられ、ポリペクトミーや、粘膜切除術(EMR)、粘膜下層剥離術(ESD)などの方法があります。このうち、外来で施行可能なのは、ポリペクトミーとEMRで、当院では、切除に際して、後出血や穿孔などの合併症がより少ないとされるコールドポリペクトミー/EMR(電流を使わずにポリープを切除する方法)を採用しています。 また、当院では検査同日の日帰りの治療をしており、検査と治療を別々の日にすることはありませんが、外来で安全に内視鏡治療を行うために、ポリープの大きさは20mm程度までをひとつの目安としており、個数は4個程度までとしております(大きなポリープが複数ある場合、個数は更に少なめとしております)。

入院が必要なケース

外来での切除が危険と判断される場合、大きなポリープで一括切除が望ましい場合、抗血小板薬・抗凝固薬などの血液をサラサラにする薬を止めることが難しい方の場合などでは、入院可能な専門施設をご紹介させて頂いております。

手術の合併症と注意事項

ポリープ切除による主な合併症は、出血(術中出血、後出血)と穿孔ですが、穿孔は大きなポリープに対するEMRやESD治療などに関連した合併症であり、実務上問題となるのは後出血です。後出血は、検査治療後に自宅に戻ってから、治療部位から再出血をすることをいい、0.3~1%程度の低い確率ですが、ゼロにできない事象で、必ずどなたかに起こります。後出血は、術後安静を保っていたとしても起こりえますが、腹圧をかける運動や動作、アルコールや刺激物の摂取で出血が誘発されやすくなります。また出血した場合には、ときに入院治療を要することもあります。そのため、ポリープを切除した場合には、これらの合併症予防の観点から、1~2週間程度、運動・飲酒・遠出の外出を控えるようお願いすることがあります。

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