医院名:医療法人社団侑思会 自由が丘消化器・内視鏡クリニック 
住所:〒152-0035 東京都目黒区自由が丘2丁目9−6 Luz自由が丘5階 
電話番号:03-6421-2852

過敏性腸症候群

過敏性腸症候群(IBS)

 

過敏性腸症候群とは

過敏性腸症候群(IBS;Irritable Bowel Syndrome)とは、大腸内視鏡(大腸カメラ)などの検査で、腫瘍や炎症といった目に見える疾患があるわけではないのに、腹痛や排便異常(下痢・便秘・あるいはその繰り返し)が数か月以上にわたって続く状態をいいます。この疾患は腸炎とは異なり、体重が減ったり、血便がでたり、夜間に下痢がおきたりすることはなく、腹痛は排便によって改善するという特徴があり、生命に関わることもありませんが、人によっては日常生活に多分に支障が生じ、生活の質の低下のみならず経済的な生産性の低下をきたす場合があります。有病率は10%程度とされており、よくみられる疾患・病態です。

大腸内視鏡検査について

診断基準・症状

現在の世界的な診断基準は、Rome Ⅳ基準が用いられており、「最近3か月の間において、平均1週間に1回以上続く再発性の腹痛で、1排便に関係する、2排便頻度の変化と関連する、3便の形状(外観)の変化と関連する、のうち2つ以上認めるもの」と定義されています。 IBSの消化器症状は、大腸癌と炎症性腸疾患などの器質的消化器病によるものではないというのが前提ですが、実地臨床では仮に器質的疾患が併存していても、それ自体で症状が説明できない場合にはIBSと診断しているのが実情です。一般人口の10%くらいの方がこの疾患であるとされており、女性の方が多く、機能性便秘とは逆に年齢とともに減少する傾向があります。

IBSは症状によってIBS-C(便秘型),D(下痢型),M(混合型),U(分類不能型)などに亜分類されます。 腹痛は非常に強いものから、我慢できるくらいの軽度のものまで様々ですが、不安や緊張、心理的なストレスにより増悪すし、排便によって改善するという特徴があります。ひどくなると、トイレのない場所への外出や電車やバスなどの乗車ができないほど強い不安を感じる場合もあります。他方で、睡眠中など意識が自身の体に向かないときは症状を認めないという特徴があります。

原因・治療

この疾患の根本的な原因はまだよくわかっておらず、ストレスや心理的異常,神経伝達物質,内分泌物質などに加え,腸内細菌,粘膜透過性の亢進,粘膜微小炎症などが関与するとされていますが、病態としては、心身に対するストレスなどが誘因となり、脳から腸にむかう信号(神経やホルモンを介した信号)と、腸から脳にむかう信号の両方が強くなっていることが確認されており、腸の知覚過敏のような状態が起きていることがわかっています。

また、感染性胃腸炎にかかったあとは、炎症がおさまっても2~3年はIBSを発症しやすいことが報告されており(post-infectious IBS, PI-IBS)、胃腸炎のあとは IBSの 発症率が約 6~7 倍に増加することが報告されています。PI-IBSはIBS全体の5~25%程度と推定されており、感染性腸炎の約10%に発症すること、女性、若年、急性胃腸炎中もしくは前に心理的問題があること、胃腸炎の程度が強いことなどが危険因子であるとされています。

社会生活が排便状況によって制限されたり、トイレの場所ばかりに気を遣ったりする患者さんの場合、状態に応じて、治療で介入していく必要があります。 治療は、便秘型、下痢型などの症状に合わせて、薬を選択していきます。

薬物療法で最初に用いる薬としては、どのタイプにおいてもプロバイオティクス(乳酸菌、酪酸菌製剤など)、消化管機能調節薬(蠕動運動の調整薬)、高分子重合体(便の水分、便の量を調整する薬)などがあります。

効果に乏しい場合、便秘型では、粘膜上皮機能変容薬(リナクロチド)や胆汁酸トランスポーター阻害薬(エロビキシバット)などの他、大建中湯などの漢方薬や、適宜その他の下剤を組み合わせていきます。下痢型では、腸の異常運動を抑えるセロトニン3受容体拮抗薬(5-HT3拮抗薬)や、しくしくとした腹痛を抑える漢方である桂枝加芍薬湯などが検討されます。また補助的、頓服的に止痢薬や抗コリン薬などを使用することもあります。

食事療法(脂質,カフェイン類,香辛料を多く含む食品やミルク、乳製品などを控える)と運動は症状緩和に有効的です。喫煙,飲酒,睡眠障害の改善による症状緩和の明瞭なエビデンスはありませんが、効果がでやすいこともあります。

機能性便秘、機能性下痢

過敏性腸症候群と機能性下痢・便秘は、腹痛を伴うか否かで区別します。明確に区別し難い例もあります。

最後に

初診で過敏性腸症候群だという印象を持っていたとしても、大腸内視鏡(大腸カメラ)検査をしてみると、結果的に潰瘍性大腸炎や感染性腸炎などの他、甲状腺ホルモンの異常や糖尿病による胃腸の運動異常、大腸がんによる便狭小などと診断されるケースがありますので、本疾患の診断には大腸内視鏡(大腸カメラ)検査や採血検査、CT検査を受けるなどして、他の病気をきちんと除外しておくことが必要です。お腹の不調が長く続く場合には、自分で判断したり一人で悩んだりせずに、専門医とご相談されることをおすすめします。

 

 

 

 

 

 

監修・文責 自由が丘消化器・内視鏡クリニック 院長 岡田 和久

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