アニサキスが胃壁に刺入した部位には、局所の反応として、前回➁の写真で示したびらん・潰瘍などが形成されます。
しかし肉芽腫の形成が顕著となった場合、粘膜下腫瘍となり、GISTなど手術が必要な他の粘膜下腫瘍と鑑別を要します。
この粘膜下腫瘍の形成には、強い腹痛や嘔気といったアニサキスによる顕著な腹部症状がなくとも生じうることに加え、時に頂部にびらん、小潰瘍を伴っている場合があり、これが悪性度の高いGISTの所見と類似することから、しばしば鑑別が困難なときがありますが、アニサキスによって生じた粘膜下膨隆は、他の粘膜下腫瘍と異なり、経時的に徐々に縮小・減退していくことなどから診断できます。この粘膜下腫瘍は、発見時から数か月後には消失するため、vanishing tumorとも呼ばれています。
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自由が丘消化器・内視鏡クリニック
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院長 岡田 和久