十二指腸乳頭腺腫①(胃内視鏡/胃カメラ)
胆管が十二指腸に開口し繋がる部分を十二指腸乳頭部といい、同部に発生する腫瘍を十二指腸乳頭部腫瘍といいます。
比較的珍しい腫瘍ですが、主には前癌病変である良性の腺腫と、癌があります。
乳頭腺腫では、表面より深部ほど異型が強いという病理組織学的特徴があるため、 生検で中等度から高度異型の腺腫と診断されても、一括切除した検体の最終病理組織診断で腺腫内癌と診断されるケースもあり、術前診断が難しい場合があります。
腺腫および腺腫内癌は、適切に乳頭切除術が施行されれば予後は良好です。
以下は当院で経験された乳頭腺腫です。
ラズベリー型胃癌③(胃内視鏡/胃カメラ)
胃のラズベリー型腫瘍は、低異型度の腺窩上皮型腫瘍です。ピロリ未感染の胃底腺領域に発生し、強い発赤や表面が顆粒状、絨毛状、脳回状であることが特徴です。
以下も当院で経験されたラズベリー型胃癌の例です。
薬剤性潰瘍➁(胃内視鏡/胃カメラ)
痛み止めを連用している方の、心窩部(みぞおち)付近の痛みでは、薬剤性の胃・十二指腸粘膜障害を考慮する必要があります。
病変は胃幽門前庭部(胃の出口付近)に好発し、多発する傾向があるとされています。
以下はロキソプロフェン連用による、胃粘膜障害の症例です。
自己免疫性胃炎④(胃内視鏡/胃カメラ)
自己免疫性胃炎の特徴的な内視鏡所見は、胃底腺領域(胃体部と胃底部)に萎縮がみられるも、胃幽門前庭部に萎縮が認められないことです。
貧血や甲状腺機能異常を合併したり、慢性炎症のため胃癌が発生しやすいとされていますが、発見時には自覚症状がない方がほとんどです。
以下は検診での症例です。
自己免疫性胃炎③(胃内視鏡/胃カメラ)
以下の例も、自己免疫性胃炎に胃癌を合併した症例です。
前庭部には萎縮を認めず、抗胃壁細胞抗体陽性でした。
A型胃炎の胃癌合併率は高いとされており、ピロリが陰性でも定期的な経過観察が必要です。
自己免疫性胃炎➁(胃内視鏡/胃カメラ)
自己免疫性胃炎については以下もご参照ください。
自己免疫性胃炎は、比較的頻度が少ないとはいえ、ピロリ菌が陰性であっても胃癌の発生率が高いことが報告されています。
以下は、当院で経験されたA型胃炎に14mm大の早期胃がん(未分化型がん:印環細胞癌)を合併した症例です。
内視鏡所見は、いわゆる逆萎縮所見を呈しており(右下が前庭部)、抗胃壁細胞抗体160倍、ピロリ抗体陰性でした。
食道癌①(胃内視鏡/胃カメラ)
食道癌については以下もご参照ください。
一般的に、食道癌では飲酒・喫煙が強い危険因子とされていますが、飲酒・喫煙歴がない方でも発症する方がおられ、特に辛いものや、熱いものを好む方に多いのではないかと言われています。
以下の例は当院で発見された、飲酒・喫煙歴がない方にみられた4mm大の表在食道癌(扁平上皮癌)です。
この症例の方は、日々熱いお茶を比較的頻繁に飲む習慣があったとのことです。
日本のデータではありませんが、一定温度以上の熱い茶を1日700ml以上飲むことと、食道癌(扁平上皮癌)の発生に関連があると指摘する報告もあります。
本症例ではごく早期に発見されており、内視鏡治療で治癒が得られました。
停滞性食道炎(胃内視鏡/胃カメラ)
食道潰瘍については以下もご参照ください。
以下の例も薬剤による停滞性食道炎です。
いくつかの薬剤を内服する場合、十分な水で飲水しないと、薬剤の種類によっては食道に停滞性の炎症がおきてしまい、
痛みやつかえ感などの症状がでる場合があります。
ラズベリー型胃癌②(胃内視鏡/胃カメラ)
胃のラズベリー型腫瘍は、腺窩上皮型腫瘍で低異型度のものいい、比較的珍しいものです。
浸潤や転移を認めた症例の報告はなく、生命に関わる腫瘍かどうかは、まだよくわかっていませんが、
現時点では治療対象となります。
以下は当院で経験されたラズベリー型腫瘍(group3相当)の例です。
食道潰瘍⑥(胃内視鏡/胃カメラ)
食道潰瘍のなかでも熱傷によるものは、たびたび経験されます。
以下は、たこ焼きにより食道粘膜に熱傷をきたした例で、上部から中部食道にかけて線状の潰瘍を呈していました。