クローン病③(大腸内視鏡/大腸カメラ)
クローン病については、以下もご参照ください。
クローン病の内視鏡所見では、縦走潰瘍や敷石状外観といった所見の他、瘻孔(管腔臓器間等に生じる異常な接続)を形成する場合があります。
瘻孔、痔ろうなどの瘻孔に対しては、抗TNFα抗体製剤などの生物学的製剤の治療選択肢があり、手術を回避できるようになってきています。
以下はクローン病でS状結腸に瘻孔を形成した症例です。
直腸粘膜脱症候群①(大腸内視鏡/大腸カメラ)
粘膜脱症候群とは、排便時間が長かったり、排便時にいきんでしまう習慣などが契機となって、直腸粘膜の形態変化を引き起こし、組織学的に線維筋症を認める疾患をいいます。
内視鏡の所見では、潰瘍型、平坦型、隆起型などに分類され、外観は多彩です。
前記した排便習慣の改善が治療となりますが、効果に乏しい場合には内視鏡的処置が行われる場合があります。
以下は隆起型MPSの症例です。
薬剤性潰瘍➁(胃内視鏡/胃カメラ)
痛み止めを連用している方の、心窩部(みぞおち)付近の痛みでは、薬剤性の胃・十二指腸粘膜障害を考慮する必要があります。
病変は胃幽門前庭部(胃の出口付近)に好発し、多発する傾向があるとされています。
以下はロキソプロフェン連用による、胃粘膜障害の症例です。
自己免疫性胃炎④(胃内視鏡/胃カメラ)
自己免疫性胃炎の特徴的な内視鏡所見は、胃底腺領域(胃体部と胃底部)に萎縮がみられるも、胃幽門前庭部に萎縮が認められないことです。
貧血や甲状腺機能異常を合併したり、慢性炎症のため胃癌が発生しやすいとされていますが、発見時には自覚症状がない方がほとんどです。
以下は検診での症例です。
自己免疫性胃炎③(胃内視鏡/胃カメラ)
以下の例も、自己免疫性胃炎に胃癌を合併した症例です。
前庭部には萎縮を認めず、抗胃壁細胞抗体陽性でした。
A型胃炎の胃癌合併率は高いとされており、ピロリが陰性でも定期的な経過観察が必要です。
自己免疫性胃炎➁(胃内視鏡/胃カメラ)
自己免疫性胃炎については以下もご参照ください。
自己免疫性胃炎は、比較的頻度が少ないとはいえ、ピロリ菌が陰性であっても胃癌の発生率が高いことが報告されています。
以下は、当院で経験されたA型胃炎に14mm大の早期胃がん(未分化型がん:印環細胞癌)を合併した症例です。
内視鏡所見は、いわゆる逆萎縮所見を呈しており(右下が前庭部)、抗胃壁細胞抗体160倍、ピロリ抗体陰性でした。
食道癌①(胃内視鏡/胃カメラ)
食道癌については以下もご参照ください。
一般的に、食道癌では飲酒・喫煙が強い危険因子とされていますが、飲酒・喫煙歴がない方でも発症する方がおられ、特に辛いものや、熱いものを好む方に多いのではないかと言われています。
以下の例は当院で発見された、飲酒・喫煙歴がない方にみられた4mm大の表在食道癌(扁平上皮癌)です。
この症例の方は、日々熱いお茶を比較的頻繁に飲む習慣があったとのことです。
日本のデータではありませんが、一定温度以上の熱い茶を1日700ml以上飲むことと、食道癌(扁平上皮癌)の発生に関連があると指摘する報告もあります。
本症例ではごく早期に発見されており、内視鏡治療で治癒が得られました。
停滞性食道炎(胃内視鏡/胃カメラ)
食道潰瘍については以下もご参照ください。
以下の例も薬剤による停滞性食道炎です。
いくつかの薬剤を内服する場合、十分な水で飲水しないと、薬剤の種類によっては食道に停滞性の炎症がおきてしまい、
痛みやつかえ感などの症状がでる場合があります。
ラズベリー型胃癌②(胃内視鏡/胃カメラ)
胃のラズベリー型腫瘍は、腺窩上皮型腫瘍で低異型度のものいい、比較的珍しいものです。
浸潤や転移を認めた症例の報告はなく、生命に関わる腫瘍かどうかは、まだよくわかっていませんが、
現時点では治療対象となります。
以下は当院で経験されたラズベリー型腫瘍(group3相当)の例です。